03/03/2021

 河合隼雄さんは、臨床心理学、ユング心理学の先生であり、幾多の本の著者でもあったが、何よりもひとりの臨床家としての自分を大切にされた方だったと思う。晩年は文化庁長官などの要職を務められ、それはその組織なりなんなりにとっては有難いことではあったのだろうが、ご本人にとってはどうだったのか。
 最後まで、臨床家として道を極め、それを学問としても追求し、著作として結実させてほしかった、とやはり思わずにはいられない。
 ともあれ、我々の前には河合さんのたくさんの著作が残されている。
 河合さんの本をきちんと読み直す、その作業をするだけでも今なお多くのことを学びなおせるはずだろう。

 ユング心理学の重要な概念のひとつとして、コンステレーション(星座、布置)ということがある。その顰にならって河合さんの著作を布置してみたのが上図になる。最初の著作「ユング心理学入門」から始めて、その全てを読み直すのは無理にしても、その布置を読み取りながら重要な著作を読み直す、ということをやっていきたいと思っています。一緒に読んでくださる方も募集中。